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- 2025.05.27
[Frontier Letter] Nonplanar 3D fault geometry controls the spatiotemporal distributions of slip and uplift: evidence from the Mw 7.5 2024 Noto Peninsula, Japan, Earthquake

2024年のMw 7.5能登半島地震は,150km以上にわたり複雑な形状をした断層系を破壊した.動的破壊シミュレーションを用いてこの地震で生じた多数断層の破壊の支配要因を物理的に明らかにすることは,地震の複雑性を理解し将来の地震像を評価するのに重要である.モデルは,本震前に得られていた地表活断層トレースと広域応力場の情報に基づいて構築し,断層形状の効果を分離するために摩擦特性による非一様性を除外し,事後的な摩擦パラメータの調整も排除した.シミュレーションにより地震時に地震計や合成開口レーダー等で観測された時空間的変動パターンの特徴が再現され,断層面の3次元的凸凹が破壊過程,断層すべり,地震波放射,地殻変動を制御していることが明らかになった.特に,断層が屈曲し広域応力場に最適に配向している箇所で,破壊が加速し断層滑りや地表面隆起が大きくなった.今回の例を含めてフォワードモデリング手法が発展しつつあり,将来の地震シナリオの制約と地震ハザード評価の改善に貢献することが期待される.
- Ando et al. (2025): [Frontier Letter] Nonplanar 3D fault geometry controls the spatiotemporal distributions of slip and uplift: evidence from the Mw 7.5 2024 Noto Peninsula, Japan, Earthquake. Earth Planets Space 77:53, https://doi.org/10.1186/s40623-025-02187-9