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  • 2023.11.01
[Frontier Letter] Monitoring of equatorial plasma bubbles using aeronautical navigation system: a feasibility study

赤道プラズマバブル(EPBs)は、低緯度および赤道域で見られる電離圏のプラズマが極端に減少する現象です。EPBs は、電離圏を通過する様々な通信電波の伝播に影響を与え、GPS などの全球衛星測位システムの障害や精度低下を引き起こすことが知られています。したがって、宇宙天気予報の高精度化のために、EPBs の定常的なモニタリングが強く求められてきました。本論文は、航空機のナビゲーションに使用される VHF 帯電波の受動的な観測を利用して EPBs をモニタリングする新しい方法を提案しています。本論文で実施されたフィージビリティスタディによって、単一の観測点で小型の受信機を運用するだけで、広範囲にわたる EPBs の発生を検出できる可能性が示されています。現在、著者らはアジア域の低緯度および赤道地域の広範な地域をカバーする観測網の構築を進めており(http://gwave.cei.uec.ac.jp/cgi-bin/vor/vhf_tst.cgi)、これにより EPBs の宇宙天気への影響を広域に、かつ定常的に監視する能力が向上することが期待されています。    

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